国際水開発報告書 2020年度版を公表
国連は、「国連世界水開発報告書2020年版:水と気候変動」を公表した。同報告書によれば、現在、安全な飲料水を利用できない人は22億人、下水設備を利用できない人は42億人にのぼる。気候変動や極端気象の頻発・甚大化は、すでに水ストレスにさらされている国の状況を悪化させ、まだ影響がさほどではない地域でも同様の問題を引き起こすとみられる。報告書は、こうした事態に対処するため気候変動への適応策と緩和策の両軸が必要だと指摘する。包括的な適応・緩和策が水資源の持続可能な管理と、安全な飲料水及び下水設備の普及につながり、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも寄与する。同時に、報告書は、不十分な水資源管理によって社会全体に気候変動の悪影響が及ぶ恐れがあるなか、水資源管理や水供給・公衆衛生サービスの改善に対する投資が不足しており、資金確保も課題となっていることに言及している。各国には、水資源問題への対策を優先課題に据えたうえで具体的なプロジェクトを実施することが求められるという。【ラムサール条約】
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